あまり考えたくないことですが、家の中にはノミやダニが無数に存在しています。
ノミは猫に病気をもたらすだけでなく、人間にも悪影響をも及ぼすこともある厄介な存在。
飼い主と愛猫の健康な日々を守るためにもノミ対策は必須!
予防と駆除の両方で万全の対策をしていきましょう。
今回は猫のネコノミとその対策についてご紹介します。
「ネコノミ」とは?
猫に寄生するノミのことを「ネコノミ」と呼びます。
名称に「ネコ」とついていますが、猫だけではなく犬や人にも寄生することもある
非常に厄介な害虫です。
ネコノミの生態は以下
- 大きさ:2~3mm。肉眼で見える。
- 成長過程:卵→幼虫→サナギ→成虫
- 繁殖時期:春~夏にかけて。特に7~9月に増える。真冬以外は年中生息。
- 特徴:ぴょんぴょん飛び跳ねる。猫や犬に寄生して吸血する。
吸血をするのは主に成虫で、その栄養源は猫や人の血液。
体の表面上で吸血・産卵を繰り返します。
ノミの特徴はなんといってもその跳躍力。
ぴょんぴょんと飛び跳ね、猫から人、猫から猫などへ飛び移ります。
その跳躍力は、体長の200倍跳ねるといわれています。
繁殖時期は春~夏にかけてで、気温や湿度が高くなる7~9月に最も増え
室内・室外問わずどこででも生息できます。
真冬以外は生息していますが、人が生活する温かくて適度に湿度のある環境下では
通年とおして生息しています。
繁殖力も生命力も強く手ごわいノミ。
しっかりと対策をし、被害を最小限に食い止めたいところです。
猫がかかる病気と症状
ノミによる症状は痒みだけではなく、様々な病気が引き起こされます。
また、猫だけではなく人にも被害がおよぶ場合もあるため注意が必要です。
痒みのサインかも?
ノミに寄生された猫は、後ろ足で頻繁に体をかいたり、なめたり、咬んだりします。
もし猫の体に以下のような症状が見られたときにはノミに寄生されている可能性があるため
要注意です。
- 抜け毛が多い
- 湿疹ができている
- 体に黒いつぶつぶがついている
- 頻繁に体をかいたり、舐めたりする
一つでも当てはまったら、動物病院へ相談してみましょう。
また、ノミが原因で引き起こされる病気には、以下のようなものがあります。
ノミアレルギー性皮膚炎
ノミが寄生し、猫の皮膚を噛んだときのノミの唾液がアレルゲンとなり
アレルギー性皮膚炎を引き起こすものです。
ノミアレルギー性皮膚炎の症状は、強い痒みと、かいたり咬んだり
することによる脱毛がみられます。
また、粟粒大の発疹がみられ、細菌感染を起こしている状態になっていることもあります。
ノミアレルギー性皮膚炎が起こりやすいのは尾に近い背中の下側。
毛をかき分けるとノミを確認できることもあります。
ノミが見つからなくても、寄生している証拠となるのがノミの糞です。
ノミの糞は黒い小さな粒状で、毛の中や猫がいた場所で見つかることがあります。
猫の体では、特に尾に近い背中のあたりによく見られます。
黒い小さな粒が必ずしもノミの糞とは限りませんが、ティッシュなどで粒を拭き取ったり
潰したときに赤くにじむとノミの糞の可能性が非常に高いといえるでしょう。
瓜実条虫症(うりざねじょうちゅうしょう)
瓜実条虫は、ノミを媒介して寄生する寄生虫の一種です。
難しい書き方をしていますが、サナダ虫の仲間です。
瓜実条虫の幼虫が潜んでいるノミを、グルーミングなどで
猫が誤って飲み込むことで感染します。
通常は成虫が寄生しても症状が現れないことがほとんどですが
幼虫の体の一部が肛門から排泄されると痒みを訴え、肛門周辺を気にするようになります。
濃厚感染すると下痢や嘔吐、体重減少(痩せてくる)といった症状が見られます。
また、瓜実条虫は人獣共通感染症であり、人にも感染または寄生するため注意が必要です。
ヘモプラズマ感染症(猫ヘモプラズマ)
ヘモプラズマ感染症は、感染症の一種で発症すると主に貧血を引き起こします。
旧名は猫ヘモバルトネラや猫伝染性貧血と呼ばれる病気でしたが
詳しく調べられた結果、マイコプラズマ(細菌)の一種でることが明らかになり
赤血球に寄生するマイコプラズマをヘモプラズマと呼ぶようになっているそうです。
ヘモプラズマに感染していても、ほとんど症状がでない猫もいます。
猫のヘモプラズマ感染症の症状は、貧血や元気消失、口の粘膜や歯茎が白っぽくなる
黄疸がでるなど様々な症状が見られます。
猫がヘモプラズマに感染する原因は、現在 確かなことは分かっていません。
ノミの媒介やヘモプラズマに感染している猫に咬まれるなどが可能性といわれていますが
実のところどれも確証がないのが現実のようです。
ここでは、ノミの媒介が原因の一つとして考えられているため挙げさせて頂きました。
ノミの予防方法
ノミは生命力や繁殖力が非常に強いため、大量に繁殖する前に対策を打つことがとても大切です。
効果的な予防方法をいくつかご紹介します。
薬で予防する
薬を使って予防や駆除をする方法は、薬の種類がいくつかあります。
錠剤
1ヶ月に1回飲ませることで、成虫の前の段階(卵、幼虫、さなぎ)で駆除します。
注射薬
1回の注射で約6ヶ月間、効果が持続します。
こちらも成虫の前の段階で駆除となります。
スポット薬
首に垂らして使う液体の薬です。
1ヶ月に1回の投薬で、これも成虫の前の段階で駆除します。
掃除で予防する
猫が生活している部屋を徹底的に掃除することで予防する方法です。
猫のベッドは定期的に取り換えたり、畳があるお家は畳の中も注意します。
ホコリのたまりやすい場所は特に念入りに掃除しましょう。
清掃後には、スプレータイプのノミ駆除薬を吹きかけると効果的でしょう。
燻煙式殺虫剤も時に効果を発揮します。
燻煙式殺虫剤は駆除にも使用できますが、予防としても使えます。
ただし、卵とサナギには効かないので要注意。
成虫は退治できるので、定期的に使用すると良いと思います。
もしノミが発生したら…
予防対策をしていもノミが発生してしまう場合もあります。
ノミが発生した場合の駆除方法をご紹介します。
ノミ取り用のブラシを使う
ペットショップやホームセンターで購入できるノミ取り用のブラシを使う方法です。
ノミ取り用のブラシを使って猫の毛をとかし
クシに引っかかったノミを粘着テープに貼りつけましょう。
その後、用意した水の中に入れ駆除します。
ノミ取りシャンプーを使う
ペットショップやホームセンターで購入できる、薬用のノミ取りシャンプーを使う方法です。
猫の口に泡が入らないよう注意しながら、体全体を優しくシャンプーしてあげましょう。
ノミ取りシャンプーの効果は一時的なものなので
定期的にシャンプーしてノミを駆除していきましょう。
シャンプー後にノミ取り用のブラシで猫の毛をとかし、残ったノミを除去するのも効果的です。
スポットタイプの薬を使う
動物病院などで購入できる、液体状の薬を使う方法です。
猫の首に液体状の薬を垂らして使います。
市販されているものもありますが、病院で処方してもらう薬の方が持続力もあり効果的です。
薬の持続期間は約1ヶ月で、ノミの他にフィラリア症やダニなど他の害虫予防にもなります。
駆除薬を使う
動物病院で処方してもらえる駆除薬を使う方法です。
駆除薬は、高い効果を期待できますが、他の駆除方法に比べると少し高価です。
絶大な効果を期待するなら、駆除薬が一番でしょう。
最後に
発生してしまうと厄介なノミ。
猫にとっても飼い主にとっても非常に厄介な存在です。
猫の体にノミを発見しても、決して手で潰さないように注意しましょう。
ノミがメスの場合、卵が周辺に飛び散る可能性があり、感染を広げてしまいます。
ノミ取りをする際には、ノミ取り専用のブラシなどを使い
潰さないように粘着テープと水で駆除しましょう。
ノミは、発生しないように日々の予防がとても大切。
もしも発生してしまったら、できるだけ早期の駆除を心掛けましょう。
ノミの根絶は難しいため、継続的な予防・駆除が必要になりますが、
しっかりと対策をして猫も飼い主も快適な日々を送りましょう!