自然災害はいつやってくるかわかりません。
猫の避難について考えておくのは飼い主さん大切なつとめ。
地震も多い日本ですから、日頃から防災対策はしっかりやっておきたいところです。
また、夏~秋前にかけては、台風の季節でもあり、近年は台風による洪水などの大きな自然災害を目にすることが多くなってきたように思います。
「防災の日」という言葉を耳にしたことが方も多いのではないかと思いますが、日本では8~9月にかけて台風の接近や上陸が多いので、9月1日を防災の日と定め8月30日~9月5日を防災週間としています。
自然災害が起きて いざ避難するという状況になったとき、猫のいるご家庭は人用の防災グッズと猫用の防災グッズの両方を持って避難するようになります。多頭飼いの場合は猫の頭数分の用意が必要です。
防災グッズといっても様々なアイテムが発売されていますし、いったい何を準備すれば良いのか迷う方もいらっしゃると思います。そこで、猫のための防災対策について事前に用意しておきたいグッズや事前に備えておきたいこと、事前に確認しておきたいことを3回に分けて詳しくご紹介します。
この記事では、事前に用意しておきたい猫の防災グッズについてご紹介します。
猫のための防災対策|猫の防災用品を揃えよう

災害時の避難では、持って行けるものが限られてきます。
そのため、必ず準備しておきたいものから優先して揃えると良いとされているので、まず何が必要なのか?について、以下で詳しくご紹介していきます。
猫のための防災対策|必ず用意しておきたいもの
猫のために、必ず用意しておきたい防災グッズは、以下です。
ひとつひとつを詳しく見ていきましょう。
- フード
- 飲料水
- フードボウルと水ボウル
- トイレなどの衛生用品
- キャリーバッグまたはケージ
- タオルなどのケア用品
フード

まずは、何と言っても大切な猫のためのご飯を準備しなければなりません。
フードは、普段食べているものを5~7日分ほど用意しておきましょう。
この時、1日分ずつ小分けにして用意しておくと便利です。
ドライフードは酸化しやすいので、事前に用意しておく場合は定期的に取り替える必要があります。もし、普段食べているフードで、小分けパック販売されているものがあれば、それを用意しておくのがおすすめです。
普段ウェットフードを食べている場合は、一度開けたウェットフードを保管するための密閉容器を用意しておくと良いでしょう。
猫は警戒心が強い動物なので、避難所などの慣れない環境ではフードを食べないことがあります。
体力や免疫力の低下を防ぐためにも、普段から食べ慣れているフードを用意しておくのが良いでしょう。
また、普段から療法食などの特別なフードを与えている場合は、配給されるフードで用意してもらうのが難しい場合があります。特別なフードを食べている場合は、できるだけ多く用意しておくようにしましょう。
飲料水

飲み水も、命を繋ぐためにはとても大切なものです。しかし、災害時は水道が止まって水が使えない状況が考えられます。そのため、猫が飲める水を準備しておくことが大切です。
人が飲むミネラルウォーターは硬水である場合が多く、猫に与えるのはおすすめしません。というのも、猫は硬水を飲むと、慣れない環境からのストレスも相まって尿結石を引き起こす可能性があるからです。あらかじめ軟水の水を用意しておきましょう。
また最近では、ペット用の飲料水も販売されているので そちらを用意しておくのもひとつです。ペット用の健康維持サポート飲料は、効率良く水分を補給できるようになっているので良いと思います。
フードボウルと水ボウル

猫にご飯や水を与える際には、専用の容器があると安心です。
フード用と水用のボウルを準備してあげましょう。
フードボウルと水ボウルは、プラスチック皿や紙皿などでも代用できますが、折りたたみ式のボウルを用意しておくと持ち運びがコンパクトになり便利です。普段使いもできそうですね!
トイレなどの衛生用品

こちらも忘れてはいけない、トイレや砂、ペットシーツにビニール袋などのトイレ用品や衛生用品を用意しておきます。避難所には他の方も大勢いらっしゃいますので、猫のエチケットグッズを用意しておくことは大切です。
トイレそのものを持って避難するのは困難なので、折りたたみができるポータブルトイレがおすすめです。
ただし、猫は落ち着けるところでしかトイレをしないので、普段からポータブルトイレを使用して慣れさせておくのことも大切です。普段から使っていれば自分のニオイもつきますし、避難先でも使ってくれる可能性が高まります。

トイレは段ボールや発泡スチロールなどの箱でも代用可能ですが、繊細な猫のため できれば耐水性に優れ清潔に保ちやすいものを用意してあげたいところです。
砂は大袋のまま持って出るのは大変なため、あらかじめ小分けにしておくか、必要分だけをまとめておくようにしましょう。新聞紙などでも代用可能ですが、猫の好みもあるため砂は普段から使い慣れているものを用意してあげることをおすすめします。
ペットシートやビニール袋は必要に応じて用意しておきます。
ビニール袋もペットシートも、さほど かさばらないので多めに準備しておくと安心ですね。
キャリーバッグまたはケージ

猫を連れての避難するときや、避難所などで生活するときは必ず必要になるキャリーバッグ。きちんと用意しておくことをおすすめします。多頭飼いの場合は、猫の頭数分 用意しましょう。
通院などのために、既にお持ちの飼い主さんも多くいらっしゃると思います。既にお持ちの場合は、新たに準備する必要はありませんが、何か心配事がある場合は「防災用」としてキャリーバッグを用意しておいても良いと思います。その場合は、普段から猫に触れさせてあらかじめ慣れてもらっておきましょう。
現在は、いろんなタイプのキャリーが販売されています。従来のハードタイプだけではなく、リュックタイプや斜めがけタイプもあり、両手が使えるようになるキャリーも販売されています。避難中は他の荷物も持てるように、両手が空くタイプのキャリーがおすすめです。
また、猫は意外に重たいので手で持つタイプのキャリーより、人の体にかけるもしくは背負うタイプのキャリーの方が移動もしやすくなるでしょう。
そして、できれば準備しておきたいものの一つがケージです。
キャリーの中は、夏場は高温になりやすく猫の熱中症の危険があるため、折りたたみ式のケージが使える状況であれば使ってあげたいところ。そのためにも、前もって用意しておきましょう。
折りたたみ式のケージが販売されているため、防災用に一つは持っておくと安心です。
また、キャリーやケージは入り慣れていないと、なかなか入ってくれない場合があります。猫がキャリーやケージに慣れるように、普段の生活の中で使用するように工夫して使う練習をしておくことが大切です。
タオルなどのケア用品

猫の手入れや防寒などのために、タオルは重宝します。人間も使うことができるものなので、できれば少し多めに用意しておきたいところですね。用意するタオルは、なるべく猫自身のニオイがついたものを用意してあげると、使用する際に猫も安心できます。
また、タオルは手入れのほかに、キャリーに被せておくと外界をシャットアウトし猫のストレスを軽減させることができるためとても重宝するでしょう。
その他、ティッシュやウェットティッシュも用意しておくと便利です。
ウェットティッシュはアルコール成分の入っていない、ペット用のものを用意しましょう。ペット用ウェットティッシュは、ホームセンターなどでも売られていますし、100均でも手に入ります。
必ず必要というものではありませんが、余裕があればペット用のシャンプータオルも用意しておきたいアイテムです。
猫は毛づくろいをよくするので、体に着いた汚れを落としてあげたいところ。その際に、シャンプータオルは、重宝します。洗浄剤を染み込ませた大判で厚みのあるウェットティッシュのようなもので、拭くだけで簡単に汚れやにおいを落とすことができる衛生用品です。ちなみに洗い流さなくてもOKです。
猫のための防災対策|できれば用意しておきたい
ここからは、絶対に必要というわけではありませんが、できれば準備しておきたい防災グッズをご紹介していきます。
- 首輪、迷子札、ハーネス
- 洗濯ネット
- 新聞紙
- 猫の写真
では、それぞれを詳しく見てきましょう。
首輪、迷子札、ハーネス

災害時にはパニックになって脱走してしまう猫が多くいます。身元が分かるように、首輪と迷子札があると安心です。
どうして絶対必要枠に入っていないのか?と思う方もいらっしゃると思います。猫の中には首輪をとても嫌がる子がいるため、できれば用意しておきたいに入れました。「首輪が大丈夫な子であれば必ず準備しておきたいもの」です。首輪もハーネスも、猫自身が受け入れる、受け入れないの個体差が出てしまいます。
特に首輪は注意が必要です。
首輪が苦手な猫は、それを取ろうとして下あごが首輪に引っ掛かり猿ぐつわ状態になり怪我に繋がる可能性があります。猫の様子を見て、首輪が大丈夫そうなら迷子札付きのものを用意してあげると良いです。

ちなみに、うちの愛猫2匹は首輪を受け入れません。
子猫の頃は平気だったのですが、成長するにつれて気になり始め、首輪をつけると外そうと必死。何度か外したりつけたりと練習を繰り返していたのですが、ある日、頭を抱えて体をクネクネ頭をグリグリしている姿を見たときに、彼らに首輪は諦めました。
ハーネスに関しても、受け入れる子と受け入れない子がいます。愛猫がハーネスを受け入れてくれる場合は、準備しておくと安心です。
猫は体が柔らかいので紐タイプのものよりも、洋服のように着るタイプのものが良いでしょう。紐タイプだと体がすり抜けてしまう可能性があります。ハーネスとリードが一体になっているものも良いと思います。

愛猫がハーネスを受け入れてくれるのか?難しいのか?それは、実際につけてみないことには分かりません。一か八かになりますが、事前に購入して試してみると良いでしょう。練習していくと慣れる場合もあるので、焦らず時間をかけて練習をしてみるのも良いと思います。
洗濯ネット

災害が起きて避難することになった場合、避難所での生活になることもあるでしょう。お家とは違う、慣れていない場所で大きなストレスを抱え、パニックになって暴れる猫もいます。そんなとき、洗濯ネットは脱走防止などに役立つので大変 便利です。
また、猫の診療が屋外で行われる場合も洗濯ネットの中に入れておくと、暴れ防止や脱走防止になり安心です。
新聞紙

新聞紙は防寒対策の強い味方なだけではなく、トイレの砂やペットシートの代わりとして使えます。そのため、少しでも用意できると良いでしょう。
また、キャリーに被せて目隠しとしても使用でき、猫のストレスを軽減させることでも活躍が期待できます。
愛猫の写真

災害に合って迷子になってしまったときのことを考えて、愛猫の写真を数枚用意しておくと良いでしょう。
この時に準備する写真は、画像データではなく印刷したものか現像したものが良いです。携帯電話に画像データがあったとしても、故障やバッテリー切れで使えないことも考えられます。そのため「印刷」しておいた方がすぐに誰にでも見てもらうことができるでしょう。
用意する写真は、愛猫の顔と全身がわかる写真が良いでしょう。
猫が見つかって迎えに行ったとき「飼い主であることを証明する」ために、飼い主との2ショット写真もあると良いかもしれませんね。
猫のための防災対策|場合によっては用意しておきたい
ここでは、「場合によっては」用意しておきたいアイテムをご紹介します。
ひとつずつ見ていきます。
- 薬
- ペット保険証
薬

持病があり日頃から投薬している猫の場合は、薬の用意も忘れずにしておきます。何かがあってからでは遅いので、事前の準備が大切です。
薬によっては、保管方法や保管日数がデリケートなものもあるので、あらかじめ動物病院に相談して保管方法や日数を確認しておくと良いです。
ペット保険証

猫がケガをしていたり、避難先で体調を崩して動物病院に行く場合も考えられます。ペット保険に加入している場合、ペット保険証も忘れずに用意しておきましょう。迷子になったときの身分証明書の代わりにも使えそうですね。
また、動物病院などで支給される健康管理手帳があるなら、そちらも忘れずに。
猫のための防災対策|さいごに

いかがでしたでしょうか?
今回は猫のための防災対策について、事前に用意しておきたいグッズについてご紹介しました。
こうやって考えてみると、たくさんのものが必要だと分かります。一度で用意するのは大変なので、日頃から少しずつ用意していきたいところですね。
いつ起こるか分からない自然災害。
体一つで避難するのは心もとないですよね。まして猫も一緒ならなおさらです。
災害が起こる前にできる用意をしておけば、いざ災害が起こったときでも必要最低限のものは手元にある状態なので、少しは安心に繋がるのではないかと思います。
大切な愛猫のため、事前の用意をしっかりとしてあげましょう!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。