現在、日本で開催されている競馬は「中央競馬(JRA)」と「地方競馬」の2つがあります。
土日に地上波で放送されている競馬は中央競馬です。
地方競馬はインターネットや専用チャンネルで見ることができます。
地上波での放送は残念ながらありません。
基本的なルールや競争のやり方などは同じですが、中央競馬と地方競馬には違いも存在します。
そこで今回は、競馬を知る 第2弾
「中央競馬と地方競馬の違い」について詳しくご紹介します。
中央・地方競馬の違い①:主催者の違い
中央競馬は、農林水産省監督の下でJRA(日本中央競馬会)が主催する競馬です。
JRAは政府全額出資の特殊法人で、全国規模で運営されています。
全国各地にある10ヶ所の競馬場
(東京、中山、中京、京都、阪神、小倉、函館、札幌、福島、新潟)は、全てJRAが運営しています。
一方、地方競馬は大井競馬場は東京都特別区が、園田競馬は兵庫県というように各地方自治体が監督、運営しています。
地方競馬は中央競馬のように、一つの組織によって一括運営されているわけではありませんが、地方競馬全国協会(NAR)という組織によって、連携した運営を実現しています。
馬券などによる売り上げは、中央競馬は国の収入となり、地方競馬は運営する地方自治体の収入になっています。
中央・地方競馬の違い②:規模の違い
中央競馬は北海道から九州まで、全国各地(10ヶ所)に競馬場を持っており、季節ごとに開催場所が変わっていきます。
例えば、春や秋は東京・中山・中京・京都・阪神、夏は福島・小倉・函館・札幌、といった具合です。
馬券は競馬場やインターネット投票をはじめ、全国に場外馬券売り場が設置されています。
一方、地方競馬は運営が各地方自治体であることから、原則ひとつの競馬場でのみレースが開催されています。
馬券は、競馬場や地方競馬用の場外馬券売り場、インターネット投票もできます。
全国規模の中央競馬と、地域密着型の地方競馬ではその規模や収入には大きな違いが出ます。
中央・地方競馬の違い③:開催日時の違い
中央競馬の開催日は、基本的に土日の日中のみ開催しています。
月曜が祝日なら、月曜開催もあります。
だいたい10時前後から16時半前後までの間で、各競馬場で1日12レースが行われます。
それに対し、地方競馬は曜日に関わらず開催されています。
地方のビッグレースは中央の開催日と被らないように、平日に行われることが多いでしょう。
開催時間も日中からナイターまで、幅広い時間で設定され1日10~12レース行われています。
平日でも競馬を楽しみたい場合は、地方競馬で楽しみましょう!
中央・地方競馬の違い④:コースの違い
中央競馬には、芝コースとダート(砂)コースの両方が併設されており、内側にダートコース、外側に芝コースが設置されています。
そして、花形レース(ビッグレース)は芝コースで行われることが多いです。
一方、地方競馬は盛岡競馬場を除いて、全てダートコースのみとなっています。
これは、芝コースの維持費が高額なことや、競馬場の敷地面積が狭いこと、ひとつの競馬場で開催されているため芝を休める暇がないことなどが理由とされています。
競馬場の敷地面積の違いで、地方競馬は中央競馬と比べると幅が狭く、直線も短く、小回りのコースが多いのが特徴です。
中央・地方競馬の違い⑤:レベルの違い
一概には言えませんが、中央競馬と地方競馬ではレベルの違いが出てきます。
中央競馬のビッグレースともなると、1着の賞金が1億を超えることも多く、能力の高い馬は中央競馬に所属するのが一般的な傾向となっていることが理由の一つに挙げられます。
一般的に中央競馬の方がレベルが高いといわれていますが、地方競馬からデビューし、後に中央競馬のG1レースを制した馬もいますし、地方所属で中央の重賞レースを制した馬もいます。
大井競馬場出身のイナリワンや、笠松競馬出身のオグリキャップは地方から中央へ移籍し中央競馬でも活躍しました。
また、岩手競馬所属のメイセイオペラは日本競馬史上で1頭だけ、地方競馬所属で中央競馬のG1レースを制した馬です。
このように、地方競馬にも能力の高い馬はいるので、一概に中央競馬の方がレベルが高いとは言い切れません。
中央・地方競馬の違い⑥:クラス分けの違い
中央競馬のクラス分けは
- 新馬・未勝利
- 1勝クラス
- 2勝クラス
- 3勝クラス
- オープン
上記5段階にわけられており、新馬戦か未勝利戦を勝てば、次の1勝クラスになり、それを勝てば2勝クラスになるといったように、そのクラスで1着になれば次のクラスのレースに進んでくといったシステムです。
オープンに上がれば、賞金や条件次第でG1レースに挑戦できます。
JRAの重賞は国際競争のため重賞レースは「G」で表記され、レベルが高いレースからG1、G2、G3とクラス分けされています。
地方競馬でも、各地方の競馬組合によって違いが出ますが、クラス分けが行われています。
- 未勝利
- Cクラス
- Bクラス
- Aクラス
基本的には、上記の4段階に分けられていますが、主催者によってA1、A2、B1など細分化している地方競馬もあります。
また中央競馬がクラスを上げるために勝利数を審査基準にしているのに対し、地方競馬は、獲得賞金がクラスを上げるための審査基準になっています。
1着になれなくても、獲得賞金が積み重なればクラスを上げられるのが地方競馬です。
中央・地方競馬の違い⑦:騎手・調教師・勝負服の違い
中央競馬と地方競馬では、馬に関わる人が異なります。
これは、騎手や調教師に免許を交付する団体が違うためです。
中央競馬はJRA(日本中央競馬会)が、地方競馬はNAR(地方競馬全国協会)が、それぞれ免許を交付しています。
もし、地方競馬所属の騎手が中央競馬に移籍する場合は、JRAの騎手免許試験に合格しなければなりません。
もともと地方競馬所属で中央競馬に移籍した騎手は、安藤勝己さんや戸崎圭太さんなど多数いらっしゃいます。
また、中央競馬と地方競馬では勝負服にも違いが出ます。
中央競馬では「馬主ごと」に勝負服が決まっているのに対し、地方競馬では「騎手ごと」に勝負服が定められています。
中央競馬の勝負服は「騎手服」と呼ばれていて、所属競馬場や同じ地区の競馬場の他の騎手と同じ勝負服にならないように、騎手自身が色や柄を登録するようになっています。
さいごに
中央競馬と地方競馬では、大きく分けて7つの違いがありました。
②規模の違い
③開催日時の違い
④コースの違い
⑤レベルの違い
⑥クラス分けの違い
⑦騎手・調教師・勝負服の違い
中央競馬は地上波でも放送されていて、目にする機会も多いと思います。
地方競馬は残念ながら地上波での放送がなく、専用チャンネルでの視聴になります。
しかし、最近ではインターネットで誰でも見られるようになってきました。
中央も地方も、それぞれ特徴や面白さがあります。
派手なのは中央かもしれませんが、地方には地方の面白さがあると思うので、もし地方に興味を持たれたら、地方競馬にも目を向けてみてください!
ちなみに私は、昼休み時間に地方競馬をスマホで観戦しています(笑)