連日 猛暑が続く夏。
室内飼いが推奨されている猫は、1日中 家の中で過ごします。
室内だから大丈夫と思いがちですが、近年の夏はどんどん熱くなってきており、室内でも30℃を超えるのが当たり前になってきています。
そんな暑い室内で過ごす猫も、しっかり暑さ対策をしてあげないと体調不良を起こしてしまいます。
そこで今回は、猫と暑い夏の過ごし方として室内の暑さ対策について詳しく解説します!
クールグッズなどもご紹介しているので、ご参考までにどうぞ。
しっかりと暑さ対策をして、愛猫と猛暑を乗り切りましょう!
猫の暑さ対策|まず知っておきたいこと
比較的 暑さに強いと言われている猫ですが、なぜ暑さに強いのか?など まずは猫という動物の生態について少し触れておこうと思います。
◆猫の祖先は砂漠の猫
現在ペットとして飼われている猫(イエネコ)たちの祖先は、中東の砂漠地帯に生息していたリビアヤマネコであることがDNA解析により判明しています。
猫が生活している地域によって同じイエネコでも違いはありますが、もともと砂漠という暑い地域で生活していたDNAは今でも変わることなく、猫は比較的 暑さに強い動物と言われています。
あまり水を飲まないのも、もともと水の少ない地域で生活していて、狩りで得た獲物から摂取した水分で生きられる体になっているからだとされています。
◆猫は体温調整が苦手
人は暑いとき、全身から汗をかいて高くなった体温を下げることができます。
一方 猫は、汗をかけるところが肉球と鼻だけなので、人のように体温を下げることが苦手です。
また猫は、基本「鼻呼吸」をする動物なので、犬のように舌を出してハァハァと口呼吸で体温を下げることも稀です。
なので猫は、体温調整があまり得意な動物ではないといえるでしょう。
猫がもし口を開けてハァハァと呼吸している様子が見られたら、かなり体温が上昇している状態と考えられます。熱中症を発症していないかなど、注意が必要です。
猫の暑さ対策|暑さ対策と注意点
直接 日の当たらない室内で生活していても、室内の温度が高くなれば猫が体調を崩すリスクが高まります。
愛猫に夏を快適に過ごしてもらうために、暑さ対策をしっかりと行っていきましょう!
◆エアコンを使用する
暑さや特に熱中症の対策にエアコンが有効であることは、人も猫も同じです。
猫が快適過ごせる適温は、人が少し暑いと感じる26~28℃程とされています。
夏はエアコンを使用して、室内温度が26~28℃になるよう温度調整をしましょう。
気温は高くないけれど湿気が多くジメジメするときは、除湿機能にするなど使い分けるのも良いです。
エアコンを使用するうえで注意したいのは、冷えすぎとリモコンを置く場所です。
猫は暑さに強い分、寒さが苦手です。体を冷やしすぎると自律神経が乱れ、体調を崩す恐れがあるため暑すぎず寒すぎない室内温度にすることがとても大切です。
また、リモコンを置く場所にも注意してみてください。
テーブルの上などは、猫がリモコンを踏んでスイッチが切れてしまう可能性があります。狙ったかのようにピンポイントで踏むのが猫なので、猫が触れない場所にリモコンを置くようにすると良いでしょう。
また「停電のリスクがある」ということも念頭に置いておきましょう。
◆直射日光があたらないようにする
日陰と日向では、その温度にずいぶん差があります。
温度を上げる原因は、強い日光です。
室内に直射日光があたらないように、窓の外にグリーンカーテンや簾を設置することは暑さ対策に有効です。
直射日光を遮る物があるかないかで、温度が2~3℃程変わると言われているので、室内に直射日光が当たらないようにすることも大切です。
窓の外に日よけを設置するのが難しい場合は、遮光カーテンを使用したり室内に簾を設置するなどして暑さ対策に繋げます。
ただし、遮光カーテンの導入は注意が必要な場合があります。
猫は窓辺が好きな動物なので、カーテンと窓の間に入る子も少なくありません。
その場合、遮光カーテンが逆効果となる可能性もあるので、愛猫がいつもどこで過ごしているのかよく観察してから導入を検討すると良いでしょう。
◆水は複数個 用意しておく
夏は特に脱水症状に注意が必要です。
こまめに水分補給ができるよう、いつもより水飲み場を増やしてあげると良いでしょう。
猫が水分不足になると熱中症のリスクが高まるだけでなく、腎臓にも大きな負担をかけてしまいます。
十分に水分補給ができるよう、新鮮な水を飲めるようにしておくことが大切です。
猫が水ボウルを倒したり水が変質する可能性もあるので、倒れにくい水ボウルで数ヶ所に水飲み場を設置します。留守にするときは、新鮮な水が十分に入っているか確認しましょう。
水の衛生面が気になる場合は、自動給水器を使用してみるのもオススメです。
新鮮で流れる水を好む猫も多いため、水分補給に効果を発揮してくれるかもしれません。
自動給水器は、猫が飲みやすく飼い主さんがお手入れしやすいものがオススメです。
容器が変わると警戒して水を飲まなくなる子もいるので、普段から様々な容器に慣れさせておくことも大切になってきます。
◆部屋を移動できるようにしておく
猫は自分の好きな場所や涼しい場所を探して、居心地の良いところへ移動します。
飼い主さんが留守にしている間も、猫が快適な場所へ移動できるように部屋のドアは開放しておいてあげましょう。
部屋数が少ない場合は、バスルームなど室内でも比較的 涼しい場所に猫が出入りできるようにしておくと良いです。
バスルームを開放するときは、溺れる危険があるので浴槽の水は必ず抜いておくことが大切です。
また、ドアが勝手に閉まったりしないようドアストッパーなどを活用して、閉め出しや閉じ込めを予防するのも重要です。
◆クールグッズを活用する
猫の暑さ対策として、ひんやりする冷却グッズがいろいろと販売されています。
停電などでエアコンが使えない場合を考慮して、冷却グッズを用意しておくと安心です。
冷却グッズには、様々な種類があります。
導入してみないと使ってくれるかどうか分からないのが猫ですが、愛猫の性格や好みに合わせて いくつか用意しておくと良いでしょう。
猫の暑さ対策|扇風機の使い方
ここで1つ注意しておきたいのが、扇風機の使い方についてです。
扇風機には、風を送る力はあっても空気を冷やす効果がないので、実は猫の暑さ対策にはあまり効果がありません。
扇風機は、空気を循環させるために使用します。
高い場所に溜まる暑い空気と、低い場所に溜まる冷たい空気を循環させるように、エアコンと併用すると暑さ対策に効果的です。
扇風機を使用するときは、風が猫に直接あたるのを避けましょう。
猫の体は毛に覆われていて汗腺もないため、扇風機の風があたっても涼しく感じないと考えられています。逆に、長時間 扇風機の風にあたると、体調不良を引き起こすケースもあるようなので ケージに入れているときや行動を制限しているときは特に注意が必要です。
また、扇風機が倒れたりしないよう、転倒対策や猫がケガをしないようにすることも大切です。
羽なしタイプの扇風機や背の低いサーキュレーターの活用を検討するのも良いかもしれません。
猫の暑さ対策|夏に気をつけたい病気
暑さに強い猫とはいえ、どんなに暑くてもいつも平気というわけにはいきません。
高い温度の室内で過ごしていたり、逆に冷えすぎた室内で過ごすなどしていると体調を崩す恐れがあります。
そこで、暑い夏場に特に注意しておきたい病気について解説します。
◆熱中症
やはり一番 気をつけたいのは、猫の熱中症です。
気温が30℃を超えている場合や、30℃以下でも湿度が高い場合は、熱中症の危険が高くなります。
近年は猛暑日が増えているので、高温多湿には特に注意が必要です。
夏の窓やドアを締めきった部屋や車内は、急激に温度が上がるのでとても危険です。
また、キャリーケースに入れて移動するときも、ケース内に熱がこもるので熱中症になりやすく注意が必要です。
猫が熱中症になると、以下のような症状が現れます。
- 口で呼吸する
- 元気消失
- 嘔吐
- ふるえ
- 運動失調(ふらつきなど)
- 意識混濁
- 高体温(40℃以上)
先述しましたが、猫はほとんど口呼吸をしません。
ハァハァと口を開けて呼吸をしているときは、要注意のサインといえます。
また、意識混濁や痙攣を起こしている状態は、重症です。
急いで動物病院を受診しないと命に関わります。
◆夏バテ
夏バテと熱中症は同じと思いがちですが、実は症状に違いがあります。
夏バテでは、以下のような症状が見られます。
- 食欲が落ちる
- ご飯を食べない
- 元気消失
- 嘔吐や下痢がある
- おしっこの量が減る
熱中症の場合は、意識がなくなったり痙攣を起こしたりして最悪の場合は命に関わります。
一方 夏バテは、急激な体調の変化こそありませんが、数日から数週間をかけて症状が現れるのが特徴です。
夏バテは熱中症と違って すぐに命に関わるわけではありませんが、放置すると脱水症状や泌尿器系の病気を引き起こすリスクがあります。
猫の様子がいつもと違うときは、動物病院を受診しましょう。
◆脱水
猫が脱水を起こすと、臓器に悪い影響を及ぼしてしまいます。
放置すると、命に関わることになる可能性もあるため注意が必要です。
脱水では、猫に以下のような症状が現れます。
- 呼吸が荒い
- 食欲がない
- 目がくぼむ
- 元気消失
- おしっこの量、回数が少ない
- 歯茎の色が白っぽい
- 口の中が乾燥している
猫は脱水に対して、我慢強い動物と言われています。
上記の症状が現れているときには、すでに重症の場合があり命に関わることもあるため、すぐに動物病院を受診しましょう。
日頃から猫が脱水していないかチェックすることも大切です。
猫の脱水を調べる方法に「テントテスト」があります。
猫の首から背中あたりの皮膚を軽くつまんで軽くひねり、持ち上げたあとパッと手を離したとき、皮膚がすぐに元に戻れば脱水していません。
元に戻るまでに時間がかかったときは、脱水の可能性があります。
テントテストを定期的に実施して、脱水していないかチェックしてあげましょう。
◆クーラー病
人だけかと思われがちですが、実は猫もクーラー病になります。
夏場はエアコンを使って暑さ対策をするため、夏には特に注意してあげたい病気です。
猫がクーラー病になると、以下のような症状が見られます。
- 咳やくしゃみをする
- 食欲不振
- 元気消失
- 下痢や腹痛
- 嘔吐
クーラーを使用するようになってから、席やくしゃみの症状が出てきたら要注意です。
最初は軽度でも、悪化すると気管支炎や肺炎を引き起こす恐れがあります。
また、外気温と室温の差が大きくなることで、体がその差に対応できず自律神経のバランスが崩れ食欲不振や元気消失といった様々な体調不良が出てくるようになります。
猫の様子がいつもと違うときは、動物病院を受診することが大切です。
猫の暑さ対策|クールグッズ紹介
猫のクールグッズは、たくさんの種類が販売されています。
猫の好みや性格などを考慮して、いくつか用意しておくことをオススメします。
大理石のマットや冷却のジェルシートやアルミシートは、猫が上に乗って涼むものです。
ジェルシートは、猫の爪が引っかかったり噛んだりしても中身が出てこない、ペット用のものをオススメします。
冷却用のペットハウスは、冷感素材で作られているものの他に、電気を使用してハウス内の温度調整ができるタイプのペットハウスもあります。
電気を使うタイプのペットハウスは、冷却機能だけではなく暖房機能もついているので1年を通して使用することができます。
夏は猫専用の冷房として、冬は猫専用の暖房として使用できるのでいつも快適な温度で生活させてあげられますね。
猫の暑さ対策|さいごに
暑さに強い猫といえど、近年のこの猛暑はさすがに体にこたえるでしょう。
猫も人と同じように、暑さで体調を崩す可能性が十分にあります。
命に関わることもあるので、非常に危険です。
大切な愛猫の健康と命を守るために、しっかり暑さ対策をしてあげたいですね!
また、いつもと猫の様子が違うときは、なるべく早めに動物病院を受診するなど、夏場は過ごしやすい季節よりも少し早めに対策を打ってあげると良いでしょう。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。