ノミやマダニ、フィラリア、お腹の虫といった、猫に害をもたらす寄生虫を薬を投与して定期的に駆除することを「定期駆除」といいます。
寄生虫による害は、人獣共通感染症のリスクもあるため その必要性が広く啓発されています。
寄生虫やフィラリア予防の薬は、たくさんの種類が販売されているため迷うこともあります。
そこで今回は「寄生虫・フィラリア予防薬について」詳しく解説します!
【猫専用】寄生虫・フィラリア予防薬|なぜ対策が必要なの?
そもそも、なぜ猫の寄生虫やフィラリア対策が必要なのか?について解説します。
ノミやマダニ、フィラリアといった寄生虫は、家の中である程度増えてから または猫に症状が出てからでないと気付きにくいものです。
しかし、その時点で気付くのではすでに遅く、家の中にはノミやダニだらけになっていたり、猫の体の中や表面に寄生虫が付着しているといった事態になっています。
また、ノミやダニは人にも感染するので、飼い主さんも被害にあう可能性があり注意が必要です。
現在ノミ、ダニ、お腹の虫が原因の病気は、猫の飼育環境が変化したことで猫同士または猫から人へと感染のリスクが高まっています。
これは多頭飼いが増えたことや、飼い主さんと愛猫との関係がより親密になり、スキンシップや一緒に過ごす時間が長くなったことが理由として考えられています。
また、犬の病気と思われがちなフィラリアですが、猫も感染します。
蚊を媒介して感染するフィラリアは、猫の体の中でフィラリアの幼虫が成長し、成虫が肺や心臓に寄生し発症します。
猫のフィラリア症の治療法は、現在でもまだ確立されていません。
また猫は、体調不良を隠す傾向にあり、健康そうに見えても突然ショック症状になり命を落とすこともある、猫にとってとても恐ろしい病気です。
こうした寄生虫やフィラリアによる病気で愛猫が苦しんだり、愛猫が感染源になって飼い主さんや他の猫にうつしたりしないための大切な健康管理が「定期駆除」や「予防」なのです。
【猫専用】寄生虫・フィラリア予防薬|薬の種類
猫の寄生虫やフィラリアの薬は、いくつかの種類に分けられます。
駆除、予防したいものや、愛猫の不得手を考えて薬を選んであげると良いです。
◆スポットタイプ
スポットタイプの薬は、専用の容器に入った薬液を猫の背中や首の根元に直接 垂らして使うタイプです。
猫の肩甲骨の間で、直接 舐めることのできない部分に滴下して使用します。
皮膚に直接 垂らす薬なので、口の中に入れないように注意しましょう。
◆経口タイプ
経口タイプは、人の経口薬と同じ粒状の薬です。
猫の口に直接 入れて飲み込んでもらうのが一般的な投与方法で、少しコツが必要でしょう。
猫のおやつやご飯に混ぜて与えるという方法もありますが、薬だけ器用に出してしまったり食べてくれないときは、投薬を補助するおやつ等を併用して与えるなど工夫が必要になってきます。
◆シロップタイプ
シロップタイプの薬は、猫の口に直接 投与したり、ご飯や水に溶かして使用するタイプです。
体重によって、1日に与える量が決まっているのが特徴です。
◆粉末タイプ
粉末タイプの薬は、飲み水やご飯、おやつに混ぜて投与するタイプです。
そのまま与えるのではなく、水に溶かしたり好物に混ぜ込むことによって受け入れてくれる猫も多いようです。
【猫専用】寄生虫・フィラリア予防薬|効果の種類
猫の寄生虫やフィラリアの薬は、1つで全ての虫をカバーするわけではありません。
特定の虫に対して効くものもあれば、複数の虫に対応しているものなど、薬の効果も様々です。
◆オールインワンタイプ
オールインワンタイプと呼ばれるものは、ほとんどの寄生虫やフィラリア予防に対応しているタイプの薬です。
昔は、ノミやマダニの駆除、フィラリア予防、お腹の虫とそれぞれで対策が必要でした。
オールインワンタイプは、ノミ・ダニの駆除、フィラリア予防に加えてお腹の虫も駆除できるタイプの薬となっています。
1本で簡単に複数の虫やフィラリアに対応しているので、動物病院でもオールインワンタイプを薦められることが多いでしょう。
◆特定の虫に対応しているタイプ
オールインワンタイプとは別に、ある特定の虫に対してのみ対応している薬もあります。
例えば、ノミやダニのみを駆除したいといった場合は、ノミ・ダニ駆除に特化した薬を選ぶといった具合です。
ノミだけの駆除薬や、お腹の虫にだけ効く薬などがあります。
【猫専用】寄生虫・フィラリア予防薬|薬の選び方
たくさんの種類がある猫の寄生虫やフィラリア対策の薬。
ここからは、薬を選ぶ際のポイントをご紹介します。
◆薬のタイプで選ぶ
猫の寄生虫やフィラリア予防薬には、薬液を背中に直接 垂らして使うスポットタイプが多いです。
被毛が濡れてもあまり気にしない子や水が平気な子であれば、スポットタイプを使うと飼い主さんの投薬も楽に行えるでしょう。
水が苦手な子は、少しの薬液でも激しく抵抗する子がいます。
被毛が濡れるのを嫌がって抵抗する子には、経口タイプやシロップタイプ、粉末タイプの薬を試してみましょう。
また、警戒心の強い猫は、味にも敏感な子がいます。
ご飯の中に、どんなに小さくして混ぜても薬だけよけたり吐き出してしまう場合は、投薬を補助するおやつ等を併用してみましょう。
◆猫の体重に合ったものを選ぶ
寄生虫やフィラリア予防薬は、猫の体重によって分類されているものが多くあります。
猫の体重に合った薬を選ぶことが大切です。
また、年齢も同時に確認しましょう!
◆生活環境で選ぶ
猫の生活環境は、主に「室内飼い」か「放し飼い」か「外出もする室内飼い」の3パターンが考えられます。
それぞれの生活環境に合った薬を選ぶことが大切です。
例えば、外出は一切しない完全室内飼いであれば、ノミ・ダニ・フィラリア予防をしてくれるシンプルなものを選んだり、外出する場合はノミ・ダニ・フィラリア予防に加えてお腹の虫も駆除してくれる、オールインワンタイプを選ぶといった具合です。
【猫専用】寄生虫・フィラリア予防薬|さいごに
いかがでしたか?
猫の寄生虫やフィラリア予防薬は、種類もたくさんあり迷うことも多いと思います。
副作用なども心配があるかもしれません。
猫の体重や年齢に合った薬を選ぶことも大切です。
予防薬や駆除薬を導入する際は、一度かかりつけ医に相談してアドバイスをもうらと安心でしょう。
また、オールインワンタイプの薬は動物病院でないと購入できない場合も多いです。
通販などで購入できるものはノミ・ダニ駆除や予防には特化していても、お腹の虫やフィラリアには対応していない場合があるので注意が必要です。
寄生虫やフィラリアは、感染すると猫自身も辛い思いをしますし人に感染することもあります。
しっかり予防して、愛猫も飼い主さんも共に健康に過ごしましょう!
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。