猫の唇(口のフチなど)は鼻の一部に、小さなホクロのような、シミのような黒いブチを見つけたことはありませんか?
我が家では、茶トラのえだの唇に小さな黒いシミがあります。
でもこれ、昔はなかったものなのです。
ずっとピンク色だった唇や鼻に、ある日突然 黒い斑点が現れると飼い主としては心配になります。
放っておいてもいいのか?病院へ行った方がいいのか迷いますね。
この黒い斑点は、心配いらないものと病気の可能性の両方が考えられます。
そこで今回は、猫の唇や鼻にできるホクロやシミのような黒い斑点について詳しく解説します!
猫の唇や鼻に黒いシミ?!|猫の唇や鼻にできる黒い斑点とは?

気がついたら猫の唇(口のフチなど)や鼻の一部に、黒いシミやホクロのようなものができて驚いたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
放っておいてもいいのか?病院へ行った方がいいのか?と迷います。
この黒い斑点は、放っておいていいものと病院受診を検討したほうがいいものの、両方があります。
その見分け方を含めてご紹介します。
猫の唇や鼻に黒いシミ?!|黒い斑点はどの辺りにできている?

猫の黒い斑点が、どの辺りにできているのか?を確認してみましょう。
例えば、唇や口元である場合、口のフチの粘膜に黒い斑点が見られるのか?
または、顎などの皮膚に見られるのか?といった具合です。
簡単な見分け方は、毛の生えているところが「皮膚」で、毛の生えていないところが「粘膜」と判断することができます。
まずは、黒い斑点がある場所が粘膜なのか、皮膚なのか確認してみましょう。
猫の唇や鼻に黒いシミ?!|どんな黒い斑点ができている?

次に確認したいのは、「どのような黒い斑点なのか?」です。
普段見慣れないものができている、という意味で人間でも「できもの」という言葉を使うことがあると思います。
この「できもの」は皮膚の腫れを意味することが多いでしょう。
できものが腫れて赤みがかっていたり、しこりがある場合とそうでない場合によって判断が違ってきます。
猫の唇や鼻にできたものが、腫れていないか、しこりがないかなどを確認してみましょう。
猫の唇や鼻に黒いシミ?!|猫の粘膜に黒い斑点がある場合


猫の唇や歯茎などの毛が生えていない粘膜に、ホクロやシミのような黒い斑点ができることがあります。
これは基本的に、心配する必要のないものです。
この黒い斑点はメラノサイトの集まりで、正式名称は「色素細胞母斑」と呼ばれるものです。
「ホクロ」のことですね。
ホクロは、このメラニン細胞が集まって盛り上がる良性腫瘍なので、心配いりません。
皮膚と黒い部分の境界線が明瞭なことが特徴で、色は黒だけではなく薄い茶色の場合もありさまざまです。
一方「シミ」は、メラニン細胞がメラニン色素を作ることで できます。
太陽光を浴びた皮膚が紫外線から皮膚を守るためや、炎症が起きた皮膚が直った後にできやすくなります。
皮膚の古い細胞が剥がれ落ち、新しい細胞に置き換わることをターンオーバーといいます。
このターンオーバーがうまく行われないとシミとして残ってしまうというわけです。
このように、ホクロは良性の腫瘍で、シミはメラニン色素が細胞内に集まったもので、一般的に健康に悪影響はないため、心配する必要はありません。
しかし、この黒いホクロやシミが、徐々に盛り上がってきたり、大きくなる場合や猫が痛みを訴えるようなことがあれば、悪性腫瘍の可能性があるため注意が必要です。
このような母斑は、茶トラ猫によく見られるといわれており、年齢を重ねるとともに黒い斑点ができる子が多いです。
なので、子猫の頃や若い頃はピンク色だったけれど、シニア期が近づくにつれて唇や鼻の粘膜に黒い斑点ができた、というケースも少なくありません。
猫の唇や鼻に黒いシミ?!|猫の皮膚に黒い斑点(ツブツブ)がある場合

猫のアゴなど毛の生えている皮膚に、黒い斑点(ツブツブ)が見られる場合があります。
触った感じは、指の腹に砂のようなツブツブとした触感があるでしょう。
これは、いわゆる「猫ニキビ」と呼ばれる皮膚病の可能性があります。
正式名称は「ざ瘡」といいますが、「アクネ」と呼ばれることもあります。
多くの猫に見られる皮膚病で、猫が気にしていなかったり脱毛や腫れなどが見られなければ病院で積極的な治療は行わず、飼い主さんの日頃のケアで軽減、解消できるものです。
猫ニキビができる原因は、毛穴に汚れや皮脂などが溜まり細菌感染を起こすことが主な原因といわれています。
猫のアゴには多くの皮脂腺が集まっていて、なおかつ食べ物のカスが付きやすい場所であるため、脂っぽくなりがちです。
猫はキレイ好きな動物なので、全身をくまなく毛づくろいしますが、アゴは猫が直接 舐めることができないため、自分では手入れのしにくい場所なのです。
そのため、細菌感染を起こしやすく猫ニキビができる原因となっています。
猫ニキビは、軽症であれば痛みも痒みもないため、猫自身も気にしていないでしょう。
その場合は病院へ行く必要はありませんが、放っておくと膿が溜まり痛みや痒みがでて、猫が引っ掻いて出血したり、細菌が入って二次感染を引き起こす場合もあります。
猫ニキビは猫自身ではケアできないので、飼い主さんがケアして悪化しないように注意してあげましょう。
猫ニキビについては、こちらで詳しく解説しています。
猫の唇や鼻に黒いシミ?!|皮膚や粘膜に黒いしこりができている場合

唇や鼻にできている黒いシミや斑点が明らかに腫れていたり、触ったときにしこりを感じるような場合は、血腫(血の塊)や良性もしくは悪性の腫瘍や悪性黒色腫の可能性があります。
悪性黒色腫は「メラノーマ」と呼ばれるものです。
メラノーマは猫の発症頻度は低く稀ですが、悪性と良性があます。
もし、猫が発症した場合は悪性がほとんどと言われているため、注意が必要です。
見分けるポイントとして
- 黒い斑点の形がきれいな円形のホクロではない
- いびつに盛り上がっている
- 皮膚とホクロ(もしくはシミ)との境界がはっきりしていない
- 徐々に大きくなっている
- 赤みがある
- 出血や潰瘍が見られる
などが挙げられます。
メラノーマは一見、ホクロやシミのように見えますが、上記にひとつでも当てはまったり心配なことがある場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
早期発見が大切です。
猫の唇や鼻などにできる赤いしこりで多いのが、扁平上皮癌という悪性腫瘍といわれています。
口の中に腫瘍ができると、下記のような症状が見られます。
- 口臭が強くなった
- よだれが多く見られる
- よだれに血液が混ざっている
- 食欲がなくなる
- 元気がなくなる
上記のような症状が見られた場合は、動物病院を受診しましょう。
その他に、カビが原因で細菌感染を起こしている可能性も否定できないため、猫の粘膜や皮膚の様子がいつもと違ったり、猫が触られるのを嫌がる、痛がる、痒がるなど猫の様子がいつもと違う場合は、獣医師に相談してみましょう。
猫の唇や鼻に黒いシミ?!|さいごに

猫の唇や鼻に突然 黒いシミやホクロのような斑点ができると、何かの病気?!と心配になりますよね。
猫自身が痛がったり痒がったりしておらず、また触ったときに しこりなどがなければ、年齢を重ねるとともに自然にできる母斑である可能性が高いので心配いりません。
人間にもできる、ホクロやシミと同じようなものです。
特に茶トラ猫には多く見られるものです。
もし、以下のような症状が見られる場合は、動物病院を受診した方が良い場合もあります。
- 黒い斑点が盛り上がる
- 黒い斑点が大きくなり、皮膚との境界が不明瞭
- 黒い斑点の形がいびつ
- 黒い斑点やその周辺などが赤みを帯びている
- 脱毛している
- 脱毛している部分が広がる
- 腫瘍になり出血している
- 猫が痛がったり、痒がったりしている
- 触るのを嫌がる
- 食欲が落ちたり、元気がなくなる
悪性腫瘍やメラノーマの場合、放置すると危険です。
猫自身も辛い思いをしてしまいますので、早めに動物病院を受診しましょう。
早期発見、早期治療を受けることが大切になってきます。
猫の唇や鼻に黒いシミやホクロのような黒い斑点ができる原因はさまざまな可能性があり、年齢とともに自然にできるものの他に感染症や腫瘍なども原因になります。
日頃から愛猫の様子をチェックし、体調管理を行ってあげましょう!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。